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RSIとは?70と30の目安・ダイバージェンスの見方をやさしく解説

「日経平均が急落した翌日にRSIを見たら30を割り込んでいた。これって買い時のサインなの?」——チャート画面を眺めながら、そんな疑問を持ったことはないでしょうか。

テクニカル指標のなかでも特に有名なRSIは、株価が「買われすぎ」なのか「売られすぎ」なのかをひと目で判断できる便利な物差しです。ただし、数字の意味を誤解したまま使うと、下がっている株を掴んでさらに下がる「ナイフ拾い」に繋がりかねません。

本記事では、RSIの基本的な意味と計算方法から、70・30という代表的な目安、そしてプロも重視する「ダイバージェンス(逆行現象)」の見方まで、投資初心者の方にもわかるようにやさしく解説します。日経平均や個別銘柄で実際にどう使うか、逆に使ってはいけない場面はどこか、まで含めて整理していきましょう。

スライド①:カバー ― 相場を測る究極の体温計「RSI」マスタークラス
スライド①:カバー ― 相場を測る究極の体温計「RSI」マスタークラス
スライド②:RSI(相対力指数)とは何か ― 0〜100で買われすぎ・売られすぎを測るオシレーター系指標の代表格 (1978年ワイルダー氏考案)
スライド②:RSI(相対力指数)とは何か ― 0〜100で買われすぎ・売られすぎを測るオシレーター系指標の代表格 (1978年ワイルダー氏考案)

① RSIとは?「オシレーター」の代表格をやさしく解説

RSIは英語の「Relative Strength Index」の略で、日本語では「相対力指数」と訳されます。1978年に米国のテクニカルアナリスト、ジョン・ウェルズ・ワイルダー・ジュニア氏が考案した指標で、いまや世界中の証券会社のチャートツールに標準搭載されている定番中の定番です。

RSIは「オシレーター」と呼ばれるグループに分類されます。オシレーターとは英語で「振り子」を意味する言葉で、0〜100の範囲を振り子のように上下する指標を指します。日経平均株価や個別銘柄の株価そのものはどこまでも上下する可能性がありますが、RSIは必ず0〜100の間に収まるため、「今の株価は上限に近いのか、下限に近いのか」を客観的に把握しやすいという特徴があります。

チャートの下段に折れ線グラフで表示され、株価が急上昇するとRSIも上に振れ、急落するとRSIも下に振れます。株価チャートを「体温計で測る」ようなイメージだと考えるとわかりやすいかもしれません。

スライド③:RSIの心臓部 ― 14日間の値上がり幅と値下がり幅の綱引き (上昇幅の合計÷(上昇幅+下落幅)×100)
スライド③:RSIの心臓部 ― 14日間の値上がり幅と値下がり幅の綱引き (上昇幅の合計÷(上昇幅+下落幅)×100)

② RSIの計算方法:14日間の値上がり幅から求める仕組み

RSIの計算式は次のとおりです。一見むずかしそうですが、意味は「一定期間の値動きのうち、上昇分がどのくらいの割合を占めているか」を示すシンプルなものです。

RSI = A ÷(A + B)× 100
A:一定期間の値上がり幅の合計
B:一定期間の値下がり幅の合計

期間の設定はワイルダー氏が提唱した「14日」が最も一般的で、多くのチャートツールでは初期値として14日が採用されています。ほかにも9日や25日など、より短期・長期の設定も存在しますが、まずは14日から使い始めるのが定石です。

具体例で見てみましょう。過去14日間のうち、上昇した日の値上がり幅の合計が800円、下落した日の値下がり幅の合計が200円だったとします。この場合、RSI = 800 ÷(800 + 200)× 100 = 80 となります。

上昇分が全体の8割を占めているので、「かなり買いが強い状態」と読み取れます。逆に、上昇分が200円、下落分が800円ならRSIは20となり、「売りが強く、下げ疲れが近いかもしれない」状態を示します。

スライド④:70と30のシグナル ― 相場の「真夏」(買われすぎ)と「真冬」(売られすぎ)ゾーン
スライド④:70と30のシグナル ― 相場の「真夏」(買われすぎ)と「真冬」(売られすぎ)ゾーン

③ 70と30の目安:買われすぎ・売られすぎのサイン

RSIには「一般的な目安」として次の2つのラインが用いられます。

  • RSIが70以上 → 「買われすぎ」ゾーン。短期的な過熱感が強く、反落する可能性が意識される水準
  • RSIが30以下 → 「売られすぎ」ゾーン。売り疲れが出やすく、自律反発が意識される水準
  • RSIが50付近 → 買いと売りが拮抗している中立ゾーン

ここで大事なのは、「70を超えたら即売り、30を割ったら即買い」ではないという点です。強いトレンドが出ているとき、RSIは70以上に張り付いたまま上昇を続けたり、30以下に沈んだまま下落が止まらなかったりします。とくに個別銘柄でストップ高が続くような急騰局面や、決算ミスなどで暴落した局面では、RSIの数字だけで判断するのは危険です。

ニッケイちゃんメモ:RSIの70と30は「気温でいえば真夏と真冬」だよ。真夏になったから涼しくなる、真冬になったから暖かくなる、って決めつけるんじゃなくて、「そろそろ揺り戻しがあるかも」って警戒するための温度計として使うのがコツだよ。

④ いまの日経平均でRSIを見ると何が見えるか

2026年7月時点の相場は、RSIの学習にちょうど良い教材になっています。日経平均株価はこの日、前日比マイナス4.03%の急落となり、週間ではマイナス8.03%と大きく値を崩しました。米国の半導体株指数であるSOX指数も1週間でマイナス9.51%と大きく下落し、世界の株式市場全体が短期間で強い調整局面に入っています。

このように短期間で株価が大きく下がると、RSIは急速に下方向へ振れ、30以下の「売られすぎ」ゾーンに入りやすくなります。ただし、繰り返しになりますが「30を割ったから買い」ではありません。地政学リスクや金融政策の転換など、下落の背景にある材料が続いている限り、RSIは30以下に張り付いたまま株価がさらに下がることもあります。

RSIはあくまで「反発する準備が整いつつあるかもしれない」というシグナルであり、実際に反発するかどうかは、ニュースの材料や資金の流れと合わせて判断する必要があります。

スライド⑤:初心者が陥る死角 ― 「張り付き」の恐怖 (1989年バブル/2020年コロナ/2024年高値の3事例)
スライド⑤:初心者が陥る死角 ― 「張り付き」の恐怖 (1989年バブル/2020年コロナ/2024年高値の3事例)

⑤ 歴史的局面で見るRSI:コロナ・ショックとバブル高値

過去の相場でも、RSIは幾度となく極端な水準に到達しました。よく引き合いに出されるのが以下の3局面です。

2020年3月のコロナ・ショック:新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、日経平均は1か月足らずで大幅に下落しました。この局面では日経平均の日足RSI(14日)は20台まで沈み、まさに教科書的な「売られすぎ」水準を示しました。実際、その後の日経平均は反発に転じ、その年の後半には下落前の水準を回復しました。

1989年末のバブル高値:史上最高値の38,915円を付けた1989年末、当時の日経平均のRSIは長期にわたって70以上の高水準を維持していました。ここでも「買われすぎ」が長期化し、その後は歴史的な下落相場に移行しました。「70を割り込んだらトレンドが変わったサインかもしれない」という視点は、この時期のチャートを振り返ることで実感できます。

2024年の34年ぶり高値更新:日経平均が1989年末以来の史上最高値を更新した局面でも、上昇の初期段階ではRSIが70を超え、その後も70前後で推移する期間が長く続きました。「強いトレンドが出ているときは、RSIが高止まりする」という典型例です。

スライド⑥:プロの奥義 ― ダイバージェンス(逆行現象)、株価とRSIの動きが逆方向に離れる矛盾はトレンド転換の予兆
スライド⑥:プロの奥義 ― ダイバージェンス(逆行現象)、株価とRSIの動きが逆方向に離れる矛盾はトレンド転換の予兆

⑥ ダイバージェンス(逆行現象)の見方:トレンド転換の予兆

RSIを使いこなすうえで最も重要な概念が「ダイバージェンス」です。日本語では「逆行現象」と呼ばれ、「株価とRSIの動きが逆方向に離れていく状態」を指します。

  • ベア(弱気)ダイバージェンス:株価は高値を更新しているのに、RSIは前回の高値を超えられず、下向きに転じている状態。上昇トレンドの勢いが内部で弱まっているサインとされ、天井打ちの予兆と解釈されます。
  • ブル(強気)ダイバージェンス:株価は安値を更新しているのに、RSIは前回の安値を割らず、下げ止まっている状態。下落トレンドの勢いが内部で弱まっているサインとされ、底打ちの予兆と解釈されます。
スライド⑦:ダイバージェンス・マトリクス ― ベア(弱気)=天井打ちの予兆/ブル(強気)=底打ちの予兆
スライド⑦:ダイバージェンス・マトリクス ― ベア(弱気)=天井打ちの予兆/ブル(強気)=底打ちの予兆

ダイバージェンスがなぜ「予兆」として意識されるかというと、株価は市場参加者の売買の結果として表面に現れる数字であるのに対し、RSIは「値幅の勢い」を測る内部指標だからです。株価はまだ最高値を更新しているのに、勢いを測るRSIが失速しているとしたら、「表面上は買われているが、実は買いの勢いが衰えている」ということを示しています。この乖離が広がったあとに、株価がRSIの示す方向に追随して転換する、というパターンが繰り返し観察されてきました。

ただし、ダイバージェンスは発生してから実際にトレンドが転換するまでにタイムラグがあり、しかも「ダマシ」も多い指標です。ダイバージェンスが出たからといってすぐに逆張りするのではなく、他の指標や出来高、ニュース材料と合わせて総合的に判断することが重要です。

スライド⑧:実戦配備完了 ― RSIを活用する5つのステップ (環境認識→補助活用→矛盾検知→全体俯瞰→撤退条件)
スライド⑧:実戦配備完了 ― RSIを活用する5つのステップ (環境認識→補助活用→矛盾検知→全体俯瞰→撤退条件)

⑦ 実践での使い方:日経平均と個別銘柄でRSIをどう活かすか

RSIを実際の売買判断に活かす際の手順を、番号付きで整理します。

  1. トレンドの向きを最初に確認する移動平均線などでまず大きなトレンドを把握します。上昇トレンドか下落トレンドか、それとも横ばいなのかで、RSIの見方が変わります。
  2. RSIを補助指標として使う:「上昇トレンド中にRSIが30近くまで下がってきたら押し目買いの候補」「下落トレンド中にRSIが70近くまで戻したら戻り売りの候補」というように、大きなトレンドと逆行しないタイミングを探すのが基本です。
  3. ダイバージェンスを併せて確認する:株価の高値・安値と、RSIの高値・安値を並べて見比べ、方向が食い違っていないかチェックします。
  4. 市場全体の指標と重ね合わせる:個別銘柄のRSIが極端に振れていても、市場全体が同じ方向に動いているだけの可能性があります。騰落レシオなど、市場全体の指標と併せて判断します。
  5. 損切りラインをセットで決める:RSIをきっかけにエントリーするなら、「どこまで逆に動いたら諦めるか」を先に決めておきます。オシレーター系指標は「反発すると思ったらさらに下がる」ダマシがつきものです。
スライド⑨:失敗しないための極意 ― 「天気予報の法則」(気温=RSI/風向=移動平均線/湿度=日経VI・出来高)
スライド⑨:失敗しないための極意 ― 「天気予報の法則」(気温=RSI/風向=移動平均線/湿度=日経VI・出来高)

⑧ よくある失敗・誤解:RSIだけを鵜呑みにすると危険

RSIをめぐって初心者がやってしまいがちな失敗をいくつか挙げておきます。

  • 「70を超えたから売り」「30を割ったから買い」の機械的な判断:強いトレンド局面では、この判断は損失に直結します。特に決算発表や急落局面での「ナイフ拾い」に注意してください。
  • 期間設定の意味を理解せずに使う:14日設定と9日設定では、同じ株価の動きでも異なるサインが出ます。短い期間のほうが敏感に反応する分、ダマシも増えます。
  • 横ばい相場と一方通行の相場を混同する:RSIは横ばい相場(レンジ相場)では機能しやすく、一方通行の強いトレンド相場では機能しにくい傾向があります。相場付きを見極めずに使うと逆効果です。
  • 単一指標に過度に依存する:RSIはあくまで「体温計」の一つです。移動平均線・出来高・ファンダメンタルズを一緒に見ないと、体温だけで病気を診断するようなものになります。

ニッケイちゃんメモ:RSIだけで売買を決めるのは、天気予報の「気温」だけを見て服を選ぶようなものだよ。風の強さも湿度も一緒に見ないと、真冬でもTシャツで出かけちゃうことになるからね。

スライド⑩:勝率を最大化する「指標の合わせ技」ダッシュボード ― RSI×移動平均線/MACD/日経VI/騰落レシオ
スライド⑩:勝率を最大化する「指標の合わせ技」ダッシュボード ― RSI×移動平均線/MACD/日経VI/騰落レシオ

⑨ 発展・関連指標との組み合わせ:オシレーターの合わせ技

RSIは単独で使うのではなく、他のテクニカル指標や市場全体の指標と組み合わせることで威力を発揮します。よく併用される指標には次のようなものがあります。

  • ストキャスティクス:RSIと同じくオシレーター系の指標。RSIより値動きに敏感で、短期売買で好まれます。%K・%Dの2本のラインが交差するタイミングをシグナルとして使います。
  • MACD(マックディー):移動平均線から派生したトレンド系指標。MACDでトレンドの方向を確認し、RSIで過熱感を測る、という組み合わせがよく用いられます。
  • 騰落レシオ:市場全体の「値上がり銘柄数 ÷ 値下がり銘柄数」を測る指標。RSIが個別銘柄や指数の「勢い」を測るのに対し、騰落レシオは市場全体の裾野の広がりを測ります。
  • 日経VI(恐怖指数):市場参加者が予想する日経平均の将来の変動率。急落時にはRSIと日経VIを合わせて確認することで、「売られすぎだが恐怖はまだピークではない」といった読み取りができます。

⑩ まとめ

  • RSIは0〜100の範囲で「買われすぎ・売られすぎ」を測るオシレーター系の指標。標準は14日設定です
  • 70以上で買われすぎ、30以下で売られすぎが一般的な目安。ただし機械的な逆張りは危険です
  • 強いトレンドが出ているときは、RSIは高止まり・低迷したまま推移することがあります
  • 株価とRSIが逆方向に動く「ダイバージェンス」は、トレンド転換の予兆として重視されます
  • 移動平均線・騰落レシオ・日経VIなど、他の指標と組み合わせて使うのが実践的です

⑪ よくある質問

Q1. RSIの期間設定は何日にすべきですか?

ワイルダー氏が提唱した14日が最も一般的で、多くの証券会社のチャートでも初期設定になっています。短期売買では9日、より長期の視点では25日を使うトレーダーもいます。まずは14日から始めて、慣れてきたら自分の売買スタイルに合わせて調整するのがおすすめです。

Q2. RSIが30を割ったら必ず反発しますか?

いいえ、必ずではありません。強い下落トレンドが続いている局面では、RSIは30以下に沈んだまま株価がさらに下落することが珍しくありません。RSIはあくまで「反発する準備が整いつつあるかもしれない」というシグナルであり、実際に反発するかは他の材料や指標も含めて判断する必要があります。

Q3. ダイバージェンスはどのくらいの信頼度がありますか?

ダイバージェンスは重要なサインですが、絶対ではありません。発生してから実際にトレンドが転換するまでにタイムラグがあり、ダマシも一定の頻度で発生します。単独で判断せず、出来高やニュース材料、他のテクニカル指標と組み合わせて総合的に評価することが重要です。

Q4. RSIは日経平均と個別銘柄、どちらに使うほうが有効ですか?

どちらでも活用できますが、性質は異なります。日経平均のように多数の銘柄で構成される指数は極端な過熱・売り込みが起きにくいため、RSIが30以下や70以上に到達すること自体がまれで、到達したときのシグナル性は比較的高いとされます。一方、個別銘柄は決算や材料次第で極端な動きが出やすく、RSIが極端な数値を示す頻度も多くなります。

Q5. RSIと移動平均線、初心者はどちらから覚えるべきですか?

まずはトレンドの方向を把握するために移動平均線から覚えるのがおすすめです。トレンドの方向がわかったうえで、そのトレンドのなかの「押し目」や「戻り」を測るためにRSIを補助的に使う、という順番が実践的です。移動平均線とRSIをセットで見る癖をつけると、テクニカル分析の基礎が一気に身につきます。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任において行ってください。

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