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世界の株価指数上昇率トップ20を実測 — 「通貨安の国ほど株が上がる」法則と、円安が続く日本株の行方

「円安なのに、日経平均は史上最高値圏。この株高は本物なのか?」——そんな疑問への一つの答えが、世界の株価指数を並べると見えてきます。

この記事では、世界の主要株価指数の年初来上昇率トップ20を実際のデータで確認し、上位国に共通する「ある特徴」——自国通貨安とインフレ——を検証します。そこから導かれるのは、「お金の価値が下がる国では、株というモノの値段は名目で上がりやすい」というシンプルな法則です。

① 世界の株価指数 年初来上昇率トップ20 — 日本は堂々の3位

順位指数年初来上昇率
1韓国 KOSPI+73.0%
2台湾 加権指数+56.6%
3日本 日経平均+34.6%
4タイ SET+26.9%
5トルコ BIST100+26.0%
6オーストリア ATX+21.3%
7日本 TOPIX連動ETF(1306)+17.1%
8シンガポール STI+16.8%
9ノルウェー OSEAX+16.8%
10イタリア FTSE MIB+16.2%
11オランダ AEX+13.8%
12スペイン IBEX35+11.4%
13米国 ナスダック総合+11.3%
14イスラエル TA-125+11.3%
15ベルギー BEL20+11.0%
16カナダ TSX+10.2%
17スウェーデン OMXS30+9.8%
18米国 S&P500+9.3%
19米国 ダウ+8.9%
20スイス SMI+6.9%
世界主要35指数の年初来騰落率トップ20(2025年末終値→2026年7月9日時点、yfinance終値ベースで筆者集計。TOPIXは連動ETF(1306)で代用)

世界の主要35指数を集計した結果、日経平均は+34.6%で世界3位。米国のナスダック(+11.3%)やS&P500(+9.3%)を大きく引き離し、トップ20に日本から日経平均とTOPIX(7位)の2つがランクインしました。1位は韓国KOSPI(+73.0%)、2位は台湾加権指数(+56.6%)で、上位はアジア勢が独占しています。

② 上位国に共通する特徴 — 自国通貨が安くなっている

ニッケイちゃんの解説:「ここが今日の核心!上位5カ国の通貨を調べると、全部が年初来でドルに対して安くなっているの。偶然にしては揃いすぎだよね。

通貨年初来の対ドル変化その国の株価指数
トルコリラ-9.1%BIST100 +26.0%(5位)
タイバーツ-6.1%SET +26.9%(4位)
韓国ウォン-4.9%KOSPI +73.0%(1位)
日本円-3.8%日経平均 +34.6%(3位)
台湾ドル-2.9%加権指数 +56.6%(2位)
株価指数上昇率トップ5の国の通貨の対ドル年初来変化(2026年7月9日時点、yfinanceで筆者集計。マイナス=通貨安)

株価指数の上昇率トップ5——韓国・台湾・日本・タイ・トルコ——の通貨は、5つとも年初来で対ドル安です。逆に、通貨高だったイスラエル(シェケル+4.7%高)やノルウェー(クローネ+2.7%高)の指数は+11.3%、+16.8%と、上位5カ国より明らかに小さい上昇にとどまっています。「通貨が安い国ほど、株価指数の名目上昇率が大きい」——この相関が、実測データからはっきり読み取れます。

③ 極端な実例 — インフレ率32%のトルコで何が起きているか

この法則を最も分かりやすく見せてくれるのがトルコです。トルコの消費者物価は2026年6月時点で前年比+32.11%(Trading Economics集計の公式統計)という強いインフレが続き、リラは年初来で対ドル-9.1%の下落。それでも——いや、だからこそ——株価指数BIST100は+26.0%と世界5位の上昇です。

仕組みは単純です。お金の価値が3割目減りする国では、企業の売上も、資産の値段も、名目の数字がインフレ分だけ膨らみます。株は工場・ブランド・稼ぐ力という「モノ」の持ち分ですから、お金という物差しが縮めば、モノである株の値段は自動的に上がる

現金や預金で持っていれば実質3割の損、株で持っていれば名目+26%——トルコの投資家にとって株を買うことは、投機ではなくインフレから資産を守る防衛行動なのです。

④ 日本への当てはめ — 円安+インフレ+株高は既に起きている

日本は、トルコの穏やかな縮小版と読めます。実測データを並べると——円は年初来で対ドル-3.8%の円安(162円台)、消費者物価は総合で前年同月比+1.5%(総務省統計局、2026年5月全国)、生鮮食品及びエネルギーを除く「コアコア」では+1.8%。そして日経平均は+34.6%で世界3位。

通貨安・インフレ・株高の3点セットが、日本でも教科書通りに揃っています

日本の場合はさらに追い風があります。第一に、日経平均は自動車・機械・電機など輸出企業の比重が大きく、円安は海外で稼いだ外貨の円換算利益をそのまま押し上げます。第二に、約2,200兆円と言われる家計金融資産の半分超が現預金に眠っており、インフレが続くほど「現金のままでは目減りする」という圧力が株式市場への資金シフトを促します。

第三に、海外投資家から見ると円安の分だけ日本株はドル建てで割安に見え、買いやすくなります。セクター別に見ても、こうした資金の流れは業種の騰落率に表れます(読み方はセクター別騰落率の基本を参照)。

⑤ 結論 — 円安・インフレ基調が続く限り、名目の日経平均には上昇圧力

ここまでの実測データをつなぐと、論理は一本の線になります。(1)世界の株価指数上昇率トップ5の国は全て自国通貨安が進んでいる。(2)インフレ率32%のトルコが示す通り、お金の価値が下がる国では株というモノの名目価格は上がる。

(3)日本も円安-3.8%・物価+1.5%・日経平均+34.6%と同じ構図にある。したがって、今後も円安・インフレ基調が続くなら、名目の日経平均には構造的な上昇圧力がかかり続ける——これが世界のデータが示す答えです。

ただし、正直な注記を2つ。第一に、これは名目(円建て)の話です。ドル建てで見た日本株の上昇率は円安の分だけ目減りしますし、あなたの持つ円の購買力も同時に下がっています。

株高は「株が偉い」だけでなく「円の物差しが縮んでいる」現象でもある——だからこそ現金のまま眠らせないことに意味がある、と読むのが正確です。第二に、上位国の上昇は通貨安だけが要因ではありません。韓国・台湾には半導体ブームという産業要因が重なっています(半導体は日本ではTOPIX-17の「電機・精密」に含まれます)。

通貨安は土台であって、万能の保証ではありません。

まとめ

世界の株価指数上昇率トップ20を実測すると、日本は+34.6%で世界3位。そして上位5カ国の通貨は全て対ドル安でした。インフレ率32%のトルコの株高が示す通り、お金の価値が下がる局面では、株というモノの名目価格は上がりやすい。

円安と緩やかなインフレが続く日本でも同じ力学が働いており、この基調が続く限り、名目の日経平均を押し上げる圧力は構造的に残り続けます。株高のニュースを見たら「株が上がった」と同時に「円の物差しが縮んでいないか」を確認する——その視点が、これからの資産防衛の出発点になります。

よくある質問

Q. 日本は世界の株価指数上昇率ランキングで何位ですか?

A. 筆者が世界主要35指数を集計した2026年7月9日時点で、日経平均は年初来+34.6%と世界3位です(1位は韓国KOSPI+73.0%、2位は台湾加権指数+56.6%)。TOPIX連動ETFも+17.1%で7位に入っています。

Q. なぜ通貨安・インフレの国で株価指数が上がるのですか?

A. 株は企業というモノの持ち分だからです。お金の価値が下がると、モノの名目価格は上がります。加えて輸出企業の換算利益の増加、現預金からのインフレ回避の資金シフト、海外勢から見た割安感という3つの経路が株価を押し上げます。

Q. 円安が続けば日経平均は必ず上がるのですか?

A. 名目の日経平均には上昇圧力がかかり続けますが、「必ず」ではありません。地政学ショックや金融引き締めで下がる局面はありますし、韓国・台湾の例のように産業ブームの有無でも差が出ます。また名目で上がってもドル建て・実質では目減りする場合があります。

Q. インフレ下で現金のままだとどうなりますか?

A. 物価上昇の分だけ購買力が目減りします。日本の消費者物価は前年同月比+1.5%(2026年5月全国)で、トルコのような+32%とは次元が違うものの、ゼロ金利に近い預金では実質的に資産が減っていく構造は同じです。

※本記事は2026年7月9日時点の実測データ(yfinance終値ベースの筆者集計、総務省統計局・Trading Economics公表値)に基づくものです。年初来騰落率は2025年末終値との比較で、取得日は指数により1営業日前後の差があります。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や投資手法を推奨するもの、または投資助言を目的としたものではありません。

投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。

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