今週(2026年8月25日〜9月5日)の世界市場は、米国では半導体株の乱高下とAI関連決算を軸にナスダックが週間で+2.03%と強含みとなった一方、為替はドル円が160円台前半の円安から156円台まで一気に振れる荒い展開となりました。日本株は円高の重しが上回り、日経平均は週間で-0.74%と小幅安。特に週の後半、9月3日には-2.95%の急落を経験し、円高局面での輸出関連の脆さが改めて意識される一週間となりました。
今週の主な出来事
米国株 — ナスダック優位、半導体は「振れ幅の週」
米国株の主役は今週もハイテクでした。ナスダックは週初25,980ドル台から週末26,506ドル台へ+2.03%と3指数の中で最も強く、AIサーバー需要を裏づけるDellやSnowflake、HPEの好決算が追い風となりました。S&P500も+0.86%と底堅く、週内高値7,747ドル台まで戻す場面がありました。
ただし半導体(SOX指数)は「振れ幅の週」でした。週初8月25日はSOXが-2.7%と大きく崩れ、9月2日にも-2.1%と再び急落。しかし週末の9月5日はSOXが+3.37%と急伸し、ハイテクの中でも半導体が最も動きの大きいセクターとなりました。
決算面ではPalantirが2月以来の下落率を記録し、Palo Alto Networksも急落と、AI関連の中でも銘柄選別が鮮明になっています。
為替 — 160円台から156円台へ、週の後半で潮目が変わる
今週最大のイベントは、間違いなくドル円の急落でした。週初159.04円から始まり、9月2日には160.14円と一時160円台に乗せる円安が進んだあと、9月4日には一日で4円超の急落となり155.89円まで下押し。週末の9月5日は156.22円で着地し、週間では-1.77%(-2.82円)の円高となりました。
背景には米長期金利の低下とドル安の広がりがあり、「円買い」というより「ドル売り」の色合いが濃い動きです。この急な円高が、輸出関連の多い日本株に強烈な逆風となりました。
金利・原油 — WTIが$90台に乗せ、資源インフレが再燃
資源面では、9月1日にWTI原油が+3.5%高となり、9月2日には$90台に乗せる場面がありました。米戦略石油備蓄(SPR)の在庫が1982年以来の低水準まで低下したことも報じられ、資源需給の締まりが意識されています。米長期金利は週後半に低下しドル安・円高につながりましたが、原油高そのものはインフレを再点火させる材料として、株式市場のバリュエーション(株価の割高感)にはじわりと重石になり得ます。
決算 — AIサーバーは実需、ただし「AI関連」一括買いは終わりつつある
Dellが第2四半期に過去最高益となり、AIサーバー事業がけん引したこと、SnowflakeとHPEもAI需要を裏づける決算を出したことは、「AI = 実需フェーズ」の証拠として市場に受け止められました。一方で、Palantirの急落、Palo Alto Networksの急落は、同じAI関連でもソフトウェア・サービス側は期待値との差が意識され始めていることを示しています。数字で応えられる銘柄と、期待で買われてきた銘柄の選別が始まった週と言えるでしょう。
数字で見る一週間
- 日経平均: 週初 65,537.33円 → 週末 65,054.56円 / 週間騰落 -482.77円 (-0.74%) / 終値ベース高値 66,311.69円・安値 64,263.09円 / 対象7日 (上昇5日・下落1日)
- S&P500: 週初 7,652.86 → 週末 7,718.6 / 週間騰落 +65.74 (+0.86%) / 終値ベース高値 7,747.71・安値 7,631.47 / 対象7日 (上昇4日・下落2日)
- NASDAQ総合: 週初 25,980.19 → 週末 26,506.99 / 週間騰落 +526.8 (+2.03%) / 終値ベース高値 26,584.06・安値 25,980.19 / 対象7日 (上昇4日・下落2日)
- ドル円: 週初 159.04円 → 週末 156.22円 / 週間騰落 -2.82円 (-1.77%) / 終値ベース高値 160.14円・安値 155.89円 / 対象7日 (上昇4日・下落2日)
日本株はどう動いたか / 来週の注目点
日本株は今週、「米ハイテクの追い風」と「急な円高の逆風」がぶつかり、後者が勝った週でした。特に9月3日の日経-2.95%は象徴的で、円高進行・長期金利上昇・原油高が三重に重なり、輸出主力の指数を一気に押し下げました。翌9月4日はダウが約624ドル高と大きく戻したものの、ドル円が155.89円まで沈んだため、日経は横ばい圏の64,269円にとどまりました。
週末9月5日は半導体高の追い風で65,054円まで持ち直しましたが、週初水準は取り戻せていません。
来週の注目点は3つに絞れます。第一に、ドル円が155円台を明確に割り込むかどうか。ここを割ると、輸出関連の業績下方修正リスクが意識され始める可能性が高いでしょう。
逆に158円台まで戻せば、指数はもう一段戻りを試す余地が出てきそうです。第二に、SOX半導体指数の続伸。9月5日の+3.37%が本格反発の入口なのか、単なるあや戻しなのかで、東京市場の主力ハイテクの流れも変わってきます。
第三に、WTI原油が$90台にとどまるかどうか。ここが定着すれば、インフレ再燃 → 金利上昇 → 株のバリュエーション圧迫、という経路が意識されやすくなります。日々の日経平均の動きと合わせて確認していきましょう。
大きな方向性
今週の動きを一段引いて眺めると、いまのマーケットは「名目成長レジームの継続」と「円安容認から円安防衛への微妙な移行」の狭間にいる可能性が高いと考えています。ナスダックが週間+2.03%と最高値圏を維持するのは、AIを軸にした企業業績の名目かさ上げが続いていることの帰結でしょう。一方で、ドル円が一時160円台に乗せた直後に4円超の急落となった動きは、円安が「経済に良いもの」から「政策で牽制するもの」に軸足を移し始めた兆しかもしれません。
WTIが$90台に乗せたことは、資源が中東緊迫化前の$50〜$70圏から一段高い水準へと再びレンジを切り上げつつあることを示唆しており、構造的にはインフレ気味の着地点をマーケットが模索する局面が続く可能性が高いとみています。転換条件は明確で、ドル円が155円割れで定着するか、WTIが$80割れに戻るかのどちらかです。それまでは、「業績で応えられる銘柄が選ばれる相場」と割り切って向き合うのが妥当でしょう。
まとめ
今週は米ナスダックの強さと、ドル円の急な円高進行という二つの異なる力が同時に働いた週でした。結果として、米国株は上昇、日本株は小幅安と明暗が分かれる形に。来週は155円台のドル円が定着するかどうか、SOX半導体の反発が続くかどうか、WTIが$90台を維持するかどうかの3点が焦点です。
AI決算で示された「実需フェーズ」は続いていますが、その中でも銘柄選別は確実に進んでいます。「指数を買う」から「業績で応える銘柄を選ぶ」局面へ、静かに移りつつあることを意識したい一週間でした。
よくある質問
Q1. 米国株が上がったのに、なぜ日本株は下がったのですか?
A. 主因は「急な円高」です。ドル円が週内で160円台から156円台まで一気に円高が進んだため、輸出関連の多い日経平均には収益悪化懸念が働きました。米国株が強くても、円高が同時に進む局面では日本株はその追い風を素直に受け取れないことがある、というのが今週の教訓です。
Q2. 半導体株(SOX)がこれだけ振れているのはなぜですか?
A. AI関連投資への期待と、個別決算の巧拙の両方に敏感なセクターだからです。今週はSOXが-2.7%、-2.1%と2度大きく崩れる場面がありましたが、週末は+3.37%と急伸しました。DellやSnowflakeなど「数字で応えた」銘柄は買われ、期待先行だった銘柄は売られる、という選別が急ピッチで進んでいることの表れとみられます。
Q3. 来週、まず何をチェックすればよいですか?
A. まずはドル円です。155円台を明確に割り込むと輸出関連の重石が強まる可能性が高く、逆に158円台まで戻せば日経は戻り相場を試しやすくなります。次にWTI原油が$90台にとどまるか、SOX半導体指数が続伸するかを順に確認するとよいでしょう。
この3点の組み合わせで、日本株のリスクとリターンの方向感が見えてきます。
本記事はAIによる情報提供です。投資助言ではありません。