2026年8月24日週と9月1日週の合計8営業日を通じて、日経平均は6万6000円台前半での攻防から一気に6万4000円台まで押し戻される、荒い展開となった。前半3営業日は半導体・値がさ主導の反発で66262.16円まで水準を切り上げたが、9月に入り日銀の追加利上げ観測が急速に高まったことで9月2日には前日比1889.7円安の急落。翌9月3日にはドル円が一日で3円51銭も円高方向に振れ、9月4日はソフトバンクグループの急騰に助けられて806.46円反発で終えるなど、値がさ株と為替が主役の一週間となった。
今週の相場テーマ
今回の期間で最も重い出来事は、9月2日の1889.7円安 (-2.85%) であった。日銀・高田審議委員の「機動的に利上げを進めるべき」との発言、および植田総裁の「9月会合含め毎回会合で議論」との発言が同日のニュースに並び、長期金利が3%台に乗せたことで金利敏感なグロース株と値がさ半導体が総崩れとなったとみられる。日中は一時1999.88円下げる場面もあり、下値抵抗が薄い展開だった。
もう一つの主役は為替である。8月24日終値で159.01円だったドル円は、8月31日には159.79円まで円安が進んだ後、9月3日に156.68円、9月4日に156.35円へと急速に円高方向へ切り返した。9月3日は一日の変動幅が2.34円、9月4日は日中安値155.28円まで円高が進み、輸出関連の逆風となる為替環境に短期間で様変わりした点は要チェックである。
三つ目のテーマは、指数と実態のズレである。8月24日はソフトバンクグループやアドバンテストなど値がさ株の急落で指数が-0.74%となる一方、TOPIX連動ETF (1306) はプラス圏を維持。9月4日もソフトバンクグループが単独で+11.78%と急騰した値がさ株主導で指数が+1.26%となったのに対し、TOPIX連動ETFはわずか+0.07%にとどまった。
指数の上げ下げを額面通りに市場全体の温度と受け取ると、実態を見誤りかねない一週間だったとみられる。
日別の動き
8月24日 (月) – 488.27円安 / 65528.09円
週明けは前日比488.27円 (-0.74%) の下落でスタート。ソフトバンクグループやアドバンテストなど半導体・グロース系値がさ株の急落が指数を押し下げた一方、TOPIX連動ETF (1306) はプラス圏を維持しており、値がさ主導の指数下げと実態のズレが鮮明になったとみられる。日中値幅は786.78円で、一時545.41円まで下げる場面があった。
8月25日 (火) +328.34円高 / 65856.43円
前夜の米SOX指数-2.7%を受けて寄り付きから半導体株が売られ、日中安値64609.47円まで一時918.62円安の急落となったが、後場にかけて値がさ株の一角が切り返し、鉄鋼・非鉄と機械セクターが指数を押し上げる形で反発に転じた展開とみられる。日中値幅は1294.77円と大きく、朝方の急落を丸ごと吸収する強い切り返しだった。
8月26日 (水) +405.73円高 / 66262.16円
前夜の米SOX指数の上昇を引き継いで半導体関連が買われ、指数は405.73円 (+0.62%) の続伸。ただし日中値幅は1051.79円と大きく、朝方は465.88円下げる場面もあった。ホルムズ海峡の航路協議進展でWTIが80ドル台へ下落したことが、金融・ディフェンシブ買いの背中を押したとみられる。
日中高値66442.34円と、月内の高値圏を試す動きとなった。
8月31日 (月) – 93.63円安 / 66311.93円
終値ベースでは-0.14%と小幅な下げに映るが、日中は一時64832.1円まで急落し、下げ幅は一時1573.46円に達した後に大引けにかけて値を戻す往復劇となった。前夜のSOX指数が-3.47%と急落した流れを引き継いで半導体株中心に売られたが、原油高を背景としたエネルギー・電力株の物色と円安進行が下値を支えたとみられる。日中値幅は1479.83円と、この期間で最大となった。
9月1日 (火) – 96.59円安 / 66215.34円
月替わりの初日は96.59円 (-0.15%) の小幅続落。ただし日中高値66525.7円と、この期間の高値をつけた場面があり、その後日中安値65576.61円まで735.32円の下げに転じた。ニュースには「長期金利3%に上昇」「住宅ローン『フラット35』長期金利上昇で過去最高」と、金利上昇を伝える見出しが並び、その後の金利ショックを予告する内容となった。
9月2日 (水) – 1889.7円安 / 64325.64円
今回の期間で最大の下げ。前日比1889.7円 (-2.85%) の大幅安。日銀の追加利上げ観測が一気に強まり長期金利が3%台へ乗せたことで、金利敏感なグロース株と値がさ半導体が総崩れとなり、指数を押し下げたとみられる。
日中は一時1999.88円まで下げる場面があり、大引けにかけてもほぼ戻さず終えた。高田審議委員・植田総裁のいずれもタカ派寄りの発言が同日ニュースに並んだ点は、日銀の姿勢変化を示すものとして重い。
9月3日 (木) – 111.16円安 / 64214.48円
指数の下げは111.16円 (-0.17%) と限定的だが、この日の主役は為替だった。ドル円は前日終値159.75円から一日で3円51銭 (-2.19%) 下げて156.68円まで急落。日中値幅は2.34円に及んだ。
日経平均も日中安値63772.8円と、この期間の最安値をつける場面があった。ヤマトHDの自社専用貨物機運航終了などのニュースが並び、市場は円高進行の消化に追われた一日とみられる。
9月4日 (金) +806.46円高 / 65020.94円
週末は806.46円 (+1.26%) の急反発。ソフトバンクグループが単独で+11.78%と急騰した値がさ株主導の動きが指数を押し上げた一方、ドル円は一時155.28円まで円高が進み、TOPIX連動ETFはわずか+0.07%にとどまるなど、指数と中身のズレが際立った一日となったとみられる。日中安値64228.47円から高値65182.45円まで953.98円の値幅を、寄り付きから一気にプラス圏へ持ち上げた強い動きだった。
今週の数字まとめ
- 期間中の日中最高値: 66525.7円 (9月1日)
- 期間中の日中最安値: 63772.8円 (9月3日)
- 最大下落日: 9月2日 -1889.7円 (-2.85%)
- 最大上昇日: 9月4日 +806.46円 (+1.26%)
- 最大日中値幅: 1479.83円 (8月31日)
- 最大瞬間下げ幅: 1999.88円 (9月2日)
- ドル円レンジ: 155.28円 (9月4日安値) 〜 160.39円 (9月2日高値)
- ドル円最大変動日: 9月3日 -3.51円 (-2.19%)
- 期間始点終値 (8月24日): 65528.09円
- 期間終点終値 (9月4日): 65020.94円
来週の注目点
最大の注目は日銀の9月会合である。9月2日のニュースで植田総裁が「利上げは9月会合含め毎回会合で議論」と明言し、高田審議委員も「機動的に利上げを進めるべき」と発言したことで、市場は「9月利上げ」を織り込む方向に傾いたとみられる。長期金利が3%台に乗り、住宅ローン「フラット35」が過去最高水準となるなど、金利上昇の実体経済への波及も広がりつつあり、金融政策発表を挟んだ相場の振れは大きくなる可能性がある。
為替については、9月3日〜4日で一気に進んだ円高が続くかが焦点となる。9月4日の日中安値155.28円を下抜けるようだと、輸出関連への逆風がさらに強まる展開が想定される。米財務長官が「植田総裁は正しいことをする」と述べたG20前のニュース (8月31日) も、日米当局の姿勢を測る材料として引き続き意識されそうだ。
個別テーマでは、AI関連の動向が引き続き重要である。「フィジカルAI」展示会に約100社が出展 (8月26日)、「AIソロプレナーに転身」 (8月25日) など、日次ニュースにもAI関連話題が繰り返し登場しており、値がさ半導体株の値動きと合わせて注視したい。また、9月の食品値上げが4900品目超で年内最多 (8月31日)、自民税調が消費税減税・農家や漁業者への給付金を大綱に明記へ (9月4日) と、家計・財政面のニュースも続いており、内需関連の反応を測る材料となりそうだ。
指数と実態のズレという今週のテーマは、来週もそのまま持ち越しとなる可能性が高い。ソフトバンクグループ1銘柄で指数が800円動く現状は、TOPIXやETFの中身と照らして冷静に読む姿勢が求められる展開が続くとみられる。