2026年8月17日から8月21日までの日経平均は、週初に一時69,225円まで上値を伸ばしたあと、週中には節目の6万5千円台まで押し込まれる荒れた展開となった。週末終値は66,016.36円で、前週末終値68,713.80円からは2,697.44円(-3.93%)の大幅安。長期金利が2.9%台に乗る局面と半導体関連の反落が重なり、指数のボラティリティが顕著に高まった1週間となった。
今週の相場テーマ
第一のテーマは長期金利の上昇と株式市場の綱引きである。週半ばには「上昇続いた長期金利」が伝えられ2.9%台での推移が続き、週末21日にも「長期金利再び上昇で企業業績に懸念」との見出しが出た。金利水準が高止まりする局面ではグロース株や高PER銘柄が重くなりやすく、今週の株価変動の主軸はこの金利にあったとみられる。
第二のテーマは半導体関連銘柄の変動幅拡大である。19日には日経平均が一時2,326.75円安まで下げ、半導体関連銘柄中心の売り注文が明確に伝えられた。指数寄与度の高い値がさ半導体株が方向を決める展開は、17日の「指数だけが上げ、東証プライムの値下がり銘柄数(890)が値上がり銘柄数(627)を上回る」構図と表裏一体で、指数の水準と市場全体の実勢が乖離しやすい相場地合いを示唆したとみられる。
第三のテーマは為替と外部コスト要因である。ドル円は週前半に159.78円まで円安が進み、20日には158.01円まで円高方向へ振れ、翌21日には再び158.85円へ戻すなど方向感を欠いた。原油先物価格の上昇、7月の貿易収支が3か月連続赤字と伝えられるなど、円安・資源高の組み合わせが相場観をさらに複雑にした週でもあった。
日別の動き
8月17日(月): 日経平均は前日比506.45円(+0.74%)高の69,220.25円と上昇し、ザラ場高値69,225.57円は今週の週間高値となった。ただしTOPIX連動ETF(1306)は-0.43%の逆行安で、東証プライムの値上がり銘柄627に対し値下がりは890と、指数の上げに反して市場全体は売り優勢だった。半導体値がさ株とソフトバンクグループの押し上げによる、指数だけが持ち上げられた上昇とみられる。
ドル円は前日比0.29円の円高となる159.14円で推移した。
8月18日(火): 日経平均は前日比1,253.07円(-1.82%)安の67,460.73円と大幅反落。取引時間中の高値は69,093.20円だったが、そこから値幅1,724.24円を切り下げる荒い展開となった。ドル円は前日比0.49円円安の159.71円で、「原油先物価格の上昇受けドル買いの動き」が伝えられた。
明治が「きのこの山」「たけのこの里」などの菓子値上げを発表するなど、コスト高関連の材料が重なった1日だった。
8月19日(水): 日経平均は前日比2,134.30円(-3.16%)安の65,326.42円と急落し、ザラ場安値65,133.98円は今週の週間安値をつけた。半導体関連銘柄中心の売り注文で一時2,326.75円安まで下げ幅を広げ、報道でも「株価 一時2100円超値下がり」と大きく取り上げられた。長期金利は「上昇続いた長期金利 きょうは低下」と伝えられたものの依然2.9%台での推移が続いており、高PER銘柄への警戒感が広がったとみられる。
ドル円は159.21円と前日比小幅な円高。
8月20日(木): 日経平均は前日比890.37円(+1.36%)高の66,216.79円と自律反発。米国の株価上昇を受けて買い戻しが優勢となり、取引時間中には一時998.90円高まで上昇した。ドル円は前日比1.15円円高の158.40円で、今週の中でもっとも円高水準まで振れた。
一方、7月の貿易収支は6,345億円の赤字で3か月連続の赤字と発表され、円高進行の割に輸出関連の戻りが限定的だった背景の一つとみられる。
8月21日(金): 日経平均は前日比200.43円(-0.30%)安の66,016.36円と小反落で週を終えた。長期金利の再上昇が企業業績・グロース株を圧迫した一方、ドル円は前日比0.58円円安の158.85円に振れ、資源・金融への資金流入が下値を支えた展開とみられる。取引時間中には956.57円安まで押される場面もあり、6万5千円台を試す不安定さは週末まで残った。
今週の数字まとめ
- 週間騰落: 前週末終値68,713.80円 → 週末終値66,016.36円 (-2,697.44円、-3.93%)
- 週間高値: 69,225.57円 (8月17日ザラ場)
- 週間安値: 65,133.98円 (8月19日ザラ場)
- 週間値幅: 4,091.59円
- 最大下落日: 8月19日 -2,134.30円 (-3.16%)
- 最大上昇日: 8月20日 +890.37円 (+1.36%)
- ドル円週初参照値: 159.43円 → 週末終値158.85円 (0.58円の円高)
- ドル円週間高値: 159.78円 (8月18日)、週間安値: 158.01円 (8月20日)
- 7月の貿易収支: 6,345億円の赤字 (3か月連続赤字)
来週の注目点
まず注目したいのは長期金利の水準感である。今週は2.9%台での推移が続き、週末21日にも再上昇が伝えられた。この水準が定着するのか、それとも2.8%台へ戻すのかで、グロース株と金融株のバランスは大きく変わるとみられる。
次に半導体関連の需給。今週は19日の急落を受けて指数寄与度の高い銘柄群のポジション調整が意識されやすく、20日の反発が本格的な戻りにつながるかは来週の焦点となる。17日にみられた「指数だけが動いて市場全体の実勢は別」という乖離が続くのかも合わせて確認したい。
加えて為替と外部要因では、原油先物価格の上昇と3か月連続の貿易赤字が重なり、円安・コスト高の圧力は根強い。ドル円が158円台を維持できるか、それとも159円台後半へ再度上抜けるかは、輸出関連株と内需・値上げ関連銘柄の物色バランスに直結するため、来週も為替中心のセクター循環が続くとみられる。また、7月の訪日客数が全体では4か月ぶりに増加した一方、中国からは大幅減という濃淡も伝えられており、インバウンド関連の材料出方にも注意したい。