2026年9月14日〜18日の日経平均は、週初の急落から週末の急伸まで、振れ幅の大きい5営業日となった。月曜に518円安、火曜は事実上の横ばいながら日中値幅1,000円超の激しい綱引き、水曜・木曜は買い戻し優勢、そして金曜は日銀の政策金利引き上げを受けて882円高と、週間では買いが売りを上回る形で終えた。指数寄与度の大きい半導体・値がさ株の売買主体が入れ替わるたびに方向感が反転する、テーマ主導色の強い一週間だったとみられる。
今週の相場テーマ
週の最大のテーマは、9月18日に決定された日銀の政策金利引き上げである。前日17日には「日銀 利上げ 最終判断へ」との報道で織り込みが進み、決定当日の18日は半導体関連が主導して日経平均が前日比882.70円(+1.38%)高の65,018.95円と急伸。金利上昇局面にもかかわらずリスクオンで反応したのは、決定が事前観測の範囲内にとどまり、政策の不確実性が剥落したためとみられる。
もう一つの底流は、長期金利の上昇と個人金融資産の膨張である。9月15日には長期金利が一時3.030%と1996年9月以来の高水準まで上昇。同時期に個人金融資産が2,519兆円と過去最高を更新したことが伝わり、家計サイドで株高と金利上昇が同時に進行している構図が確認された。
また、自民党が消費税減税の大綱案を総務会で了承し閣議決定へと進んだことも、内需関連の物色に影響したとみられる。
個別テーマでは、ソフトバンクグループの値動きが指数の方向感を大きく左右した。9月14日には同社株が-10.72%と急落して日経平均を強く押し下げたが、翌15日には+7.54%と急伸して指数の下げをほぼ吸収するなど、指数寄与度の高い値がさ株1銘柄の振れが週前半のレンジを規定する形になった。この裏では9月14日にTOPIX連動ETFが+0.86%と逆行高で終えており、日経平均とTOPIXの乖離を通じて「値がさ株1銘柄要因」が浮き彫りになっている。
日別の動き
9月14日(月): 日経平均は前日比-518.35円(-0.81%)の63,492.99円で引け、下落してスタートした。日中は一時1,285.16円安まで売られ、値幅は965.35円と荒い展開。TOPIX連動ETFが+0.86%と逆行高で終える中、ソフトバンクグループ(-10.72%)の急落が指数寄与度の高い値がさ株として全体を強く押し下げたとみられる。
「原油先物価格の上昇で売り注文」との市況報道もあり、資源高がリスク回避の一因になった可能性がある。
9月15日(火): 前日比-8.89円(-0.01%)の63,484.10円と、事実上の横ばい。ただし日中値幅は1,033.82円に達し、一時は前日比425.81円安まで売られる一方、608.01円高まで買われる往復劇となった。前夜の米SOX指数が-5.86%と急落した流れを引き継いだ半導体売りと、前日急落したソフトバンクグループの+7.54%の反発が綱引きし、指数を膠着させたとみられる。
同日には長期金利が一時3.030%と1996年9月以来の高水準まで上昇したことも意識された。
9月16日(水): 前日比+438.90円(+0.69%)の63,923.00円と反発。日中値幅は713.08円で、一時438.90円高までしっかりと買われ、下げでも274.18円安にとどまるなど買い意欲が優勢だった。市場では国産AIプロジェクトのロボット試作機公開や、米アンソロピック幹部への取材といったAI関連の話題が並び、AIテーマ物色が下支えしたとみられる。
市況コメントも「小幅な値動き」と伝えられ、値幅の割に方向感の限定された相場だった。
9月17日(木): 前日比+213.25円(+0.33%)の64,136.25円と続伸。日中は一時720.58円高まで買われる場面があった一方、下げでは98.44円程度にとどまり、値幅は819.02円に達した。半導体関連の売りを、医薬品・不動産・情報通信などディフェンシブ・内需系が広く吸収する形で、資金の入れ替わりが主導した一日だったとみられる。
翌日の日銀会合を控え「日銀 利上げ 最終判断へ」との報道が伝わる中、個人金融資産が2,519兆円と過去最高を更新したことも報じられた。
9月18日(金): 前日比+882.70円(+1.38%)の65,018.95円と大幅高で、週足での戻り高値を更新した。日中は一時1,300.32円高まで買われる場面もあり、値幅は1,032.72円。日銀の政策金利引き上げ決定後に上げ幅を拡大した半導体関連の急伸が主因とみられる。
下値では前日比-267.60円までしか売られておらず、決定当日は買いが一貫して優勢だったことがうかがえる。
今週の数字まとめ
- 週末終値: 65,018.95円 (9月18日)
- 週初の起点(9/14の前日終値): 64,011.34円
- 週間騰落: 概算+1,007.61円 (+1.57%)
- 週間高値: 65,436.57円 (9月18日 日中高値)
- 週間安値: 62,726.18円 (9月14日 日中安値)
- 週間の高安値幅: 概算2,710.39円
- 最大日中値幅: 1,033.82円 (9月15日)
- 最大上げ日: 9月18日 +882.70円 (+1.38%)
- 最大下げ日: 9月14日 -518.35円 (-0.81%)
- ドル円(参考): 9月14日データ154.48円 → 週内155.00円(9/16)、155.71円(9/17)、156.01円と円安方向へ推移
- 特筆事項: 長期金利が一時3.030%と1996年9月以来の高水準(9/15)、個人金融資産2,519兆円で過去最高(9/17報道)、日銀が政策金利引き上げを決定(9/18)
来週の注目点
最大の焦点は、9月18日に決定された日銀の政策金利引き上げに対する二次反応である。決定日は素直な買いで終えたが、金利上昇の実体経済・企業業績への影響が織り込まれるのは翌週以降となる公算が大きい。特に、9月15日に一時3.030%と1996年9月以来の高水準を付けた長期金利がどこまで上昇余地を残すかが、銀行など金利敏感セクターと、逆に金利負動とされる不動産・情報通信などとの明暗を分けるとみられる。
個別要因では、ソフトバンクグループを筆頭とする値がさ半導体関連の値動きが引き続き指数の方向感を左右する構図が続くとみられる。今週は同社株の-10.72%と+7.54%の乱高下だけで日経平均が数百円単位でぶれる場面が繰り返されており、来週も半導体関連の売買動向が指数を規定する可能性が高い。加えて、閣議決定に進んだ消費税減税の大綱案の具体化、中部電力による浜岡原発3・4号機の審査申請取り下げを巡る国内政策・エネルギー関連ニュース、台湾による日本の半導体人材育成といった中長期の産業テーマも継続注目としたい。
為替は週内で154円台半ばから156円台前半まで円安が進行した。日銀の利上げ後にも円安が続いたことは、当面のドル円が金利差要因以外の需給要因にも規定されている可能性を示唆する。来週は日米金利差の再評価と、9月14日の市況コメントにあった原油先物価格の上昇の持続性を含めて、輸出株と資源関連株の相対パフォーマンスに注目したい。