2026年9月第2週の日経平均は、週初に半導体関連とソフトバンクグループの急伸で 1378.9 円高と派手なスタートを切りながら、週末には米フィラデルフィア半導体指数 (SOX) の急落を受けて 1259.61 円安と大きく崩れる、値動きの荒い週となった。終値は 64,011.34 円で、前週末終値 (65,020.94 円) 比 1009.60 円 (1.55%) の下落。上昇2日・下落3日、単日で 1000 円超の変動を2営業日 (9/8, 9/11) 記録するボラティリティの高い週として着地した。
今週の相場テーマ:半導体主導のリスクオンとリスクオフ、そして円高・原油高の同時進行
今週の値動きを貫いたテーマは大きく3つある。第1に、値がさの半導体関連株が指数を上下双方に大きく振らせた点。月曜に指数を +2.12% 押し上げた立役者と、金曜に指数を -1.93% 引き下げた主犯は、いずれも半導体関連であったとみられる。
第2に、火曜以降に進んだドル円の水準訂正で、月曜終値 155.84 円から水曜終値 153.21 円まで、円高が一気に 2.63 円進行した (9/8 日中には 152.88 円まで下押し)。第3に、原油市況の上昇で、WTI は火曜に 94.07 ドル、水曜に 94.3 ドル台、木曜には一時 95 ドル台と、供給ショック域を明確に超える水準まで駆け上がった (約3か月ぶりの高値)。
結果として、月曜のリスクオンで積み上がった半導体・グロースへの資金は、火曜から金曜にかけて段階的に剥がれ、代わりに銀行・情報通信・金融といった内需・金利敏感セクターに一部が流入する、セクターローテーションの色合いが濃い週となった。長期金利が金曜に再び 3% に上昇したことも、この資金の入れ替えを後押ししたとみられる。
日別の動き
9月7日(月):+1378.9 円 (+2.12%) 半導体・SBG主導で 66,399円台に急伸
週初の日経平均は前週末終値 65,020.94 円からスタートし、終値は 66,399.84 円と 1378.9 円 (2.12%) の大幅高。日中高値 66,668.71 円、日中安値 65,600.42 円と、前日比プラス圏で終始したセッションとなった。前週末までの米ハイテク株高を引き継いだ半導体関連の急伸に加え、ソフトバンクグループが 11% を超える上昇となり、指数寄与の大きい値がさ株のダブル主導で押し上げられたとみられる。
ドル円は 155.84 円と前日からほぼ横ばい (+0.18 円) で、この日の上昇は為替要因ではなく、純粋な株式サイドの買いによるものだったと言える。
9月8日(火):-1130.52 円 (-1.70%) 円高と原油高のダブルパンチで外需に換金売り
前日の急伸から一転、ドル円が日中一時 152.88 円まで急伸する円高進行と、WTI が 94.07 ドルへ再び供給ショック水準を明確に超えたことが重なり、輸出・機械・素材といった外需景気敏感セクターに換金売りが集中したとみられる。日経平均は日中高値 66,791.84 円まで買われた場面もあったが、終値は 65,269.33 円と 1130.52 円 (1.70%) の下落。値幅 1522.52 円 (2.29%) は今週最大のレンジで、日中安値 65,269.33 円は終値ちょうど、すなわち安値引けの弱い引け方となった。
政治面では、高市首相が小野寺税調会長らと会談し消費税減税大綱に向けた調整を指示したと伝わったが、この日の下落を止めるほどの材料にはならなかった。
9月9日(水):-126.55 円 (-0.19%) +524円から-251円へ、往復劇の週央
日中は前日比 +524.7 円 (日中高値 65,794.03 円) まで買い戻される場面もあったが、後場にかけて 65,017.68 円まで押される往復劇となり、終値 65,142.78 円 (前日比 -126.55 円、-0.19%) の実質横ばいで着地した。WTI は 94.3 ドル台まで一段高、ドル円は 153.21 円と円高がさらに 0.64 円進行し、朝方の買いを支えきれなかった格好である。この日は米財務長官が「今や私が『胴元』」と発言し市場にない情報を持つと強調するニュースが伝わり、為替市場のセンチメントを重くした一因となったとみられる。
中国8月の消費者物価指数は +0.8% と 2か月連続で 0% 台にとどまり、外需材料としても勢いを欠く週央となった。
9月10日(木):+128.17 円 (+0.20%) 956円安から反発、内需・金利敏感が下値を支える
寄り付き後にドル円主導で売られ、日中安値 64,186.68 円 (前日比 -956.1 円) まで沈む場面があったが、終値は 65,270.95 円と辛うじて前日比プラス (+128.17 円、+0.20%) を確保。日中値幅は 1084.27 円と大きく、しかも終値が日中高値と一致する高値引けとなり、後場にかけて買いが優勢だったことが示された。米財務長官発言を受けた円買いで輸出関連が朝方に売られた一方、銀行・情報通信・金融といった内需・金利敏感セクターへの資金流入が下値を支えたとみられる。
WTI は一時 1バレル 95 ドル台に上昇し約3か月ぶりの高値。ドル円は 153.51 円とほぼ横ばい (+0.03 円)。市場ではアップルが初の折りたたみ式スマホを 36万円余から販売すると発表したことも話題となったが、指数を大きく動かすには至らなかった。
9月11日(金):-1259.61 円 (-1.93%) 米SOX急落を引き継ぎ半導体崩れる
前夜の米フィラデルフィア半導体指数 (SOX) が -2.66% と急落した流れを引き継ぎ、半導体関連の売りが指数を押し下げる展開となった。日経平均は日中安値 63,208.63 円まで沈み、終値は 64,011.34 円と前日比 -1259.61 円 (-1.93%) の大幅安で週を終えた。前日比の最大下落幅は 2062.32 円に達しており、この日単独で日中に 63,000 円台前半までの深押しがあった点は、来週以降のテクニカル的な下値メドを考えるうえで押さえておきたい水準である。
市場周辺では長期金利が再び 3% に乗せ、欧米の長期金利上昇が主因と伝えられた。番組内では「チップフレーション」というワードも登場し、半導体供給・価格の変化への警戒感が改めて意識される週末となった。
今週の数字まとめ
- 週初値 (9/7 前日終値): 65,020.94 円 → 週末終値 (9/11): 64,011.34 円 (週間 -1,009.60 円、-1.55%)
- 週中高値: 66,791.84 円 (9/8 日中高値) / 週中安値: 63,208.63 円 (9/11 日中安値)、週間レンジ幅 3,583.21 円
- 単日最大上昇: 9/7 の +1,378.9 円 (+2.12%) / 単日最大下落: 9/11 の -1,259.61 円 (-1.93%)
- 単日レンジ最大: 9/8 の 1,522.52 円 (2.29%)
- ドル円: 週初終値 155.84 円 → 週末終値 153.57 円 (週間 -2.27 円、円高進行)、週内安値 152.88 円 (9/8 日中)
- WTI: 9/8 に 94.07 ドル、9/9 に 94.3 ドル台、9/10 に一時 95 ドル台 (約3か月ぶり高値)
- 長期金利: 9/11 に再び 3% に上昇 (欧米の長期金利上昇が主因と報じられた)
来週の注目点
第1に、今週後半の相場を主導した半導体セクターの動向。金曜の -1,259.61 円下落を主導したのは値がさ半導体株であり、この流れが週明けも継続するのか、それとも米SOX指数の反発を受けて自律反発に転じるのかが最初の関門となる。番組で紹介された「チップフレーション」の概念が広まる過程では、半導体供給・価格変動への警戒がテーマとして継続する可能性がある。
第2に、為替と原油。ドル円は週内に一時 152.88 円まで円高が進み、週末終値は 153.57 円と、月曜終値 155.84 円から見れば 2.27 円の円高が定着した水準となる。米財務長官の「胴元」発言後の円買い地合いが続くのか、あるいは日米金利差再拡大を材料に円安方向へ戻すのかは、輸出セクター全体の需給に直結する。
WTI は今週、94 ドル台から一時 95 ドル台まで駆け上がっており、この水準が定着すれば素材・海運・電力などのコストサイドに波及することは念頭に置きたい。
第3に、政策・政治動向。高市首相が小野寺税調会長らと会談し、消費税減税大綱に向けた調整を指示する報道があった。減税議論がどのように具体化するかは、内需・小売・金融といった週後半に資金流入が観測されたセクターにとって追い風・逆風どちらにも作用しうるテーマである。
また、木原官房長官が中国の事実上の関税措置について「影響が生じないよう対応」と発言しており、対中関係の緊張が景気敏感セクターに再び意識されるリスクも残る。トランプ政権がカナダ産オートバイやアルコール飲料などの禁輸方針を打ち出したというニュースも、通商摩擦テーマの継続を示唆する。
第4に、金利。9月11日に長期金利が再び 3% に上昇したことは、銀行・保険といった金利敏感セクターの投資判断に直接影響する。欧米の長期金利上昇が主因とされているため、来週は米欧の金利動向とセットで国内金利の水準を確認する必要がある。
単日 1,000 円超の値幅が2営業日 (9/8, 9/11) 発生した今週の値動きから見て、来週も日中ボラティリティの高い展開に備えたい。